恋人になれば、ヤることはヤる。
 それは当然のことだと思う。
 でも、その時問題になることがある。
 きっと誰もが体験し、少しは悩むと思う。
 つまりは──…場所がない。

【香苗】『巧巳…くん…』
【香苗】『ん…こ、ここ…外だよ…』
【巧巳】『…ダメ…か?』
【香苗】『………』
【巧巳】『こんなとこだけど…その…今すっげーお前のことを…なんつーか…』
【巧巳】『…香苗…』
【香苗】『…うん…』

 と、まぁ…香苗との初体験はこんな感じだった。
 だからといって、毎回外でなんてできるわけがない。
 いつ人に覗かれるかわかったもんじゃないんだから。
 かといって、俺の家だと…。

【香苗】『はぁはぁ…ん…あっ…』
【巧巳】『香苗…俺…』
【香苗】『…巧巳…くん…』
【巧巳】『大丈夫…優しくするから…』
【香苗】『…う、うん…』
【巧巳】『…触るぞ…』
【香苗】『あっ…』

【由衣】『たっだいまぁ〜』
【由衣】『あ、香苗さん来てるんだ〜、お兄ちゃんの部屋かな〜?』

【香苗】『ИзγΨ! ヱ%$≠!!』
【巧巳】『☆〒! ∀ヰπдЁ〜!!』

 とかいう、狙ったような由衣の帰宅が、俺たちの邪魔をする。
 香苗の家だと、おばさんやおじさんがいるから当然論外。
 そうなるとやはり、必然的に行く場所が決まってしまう。
 金はかかるが…確かな場所──…。

【巧巳】「ラブホにも慣れたなぁ…」
【香苗】「うん、慣れちゃったね」

 俺のシャツを羽織った香苗が恥ずかしそうに頷く。
 俺たちは1ラウンド終了後、まったりとしながらベッドの上で話をしていた。

【巧巳】「初めの頃は勝手がわからなかったしな」
【香苗】「部屋の番号を押したら床の矢印が光って案内してくれるのはびっくりしたね」
【巧巳】「てっきりカウンターから人が出てきて、案内してくれるもんだとばかり思ってたからな」

 初めてラブホに入ったとき、カウンターの前でボーっと二人して突っ立ってた。
 次の客の動きを見て、それに倣うという、かなり恥ずかしいことをした。

【香苗】「お金を払うのが自動なのもびっくりだったね」
【巧巳】「ああ、そうだな」

 部屋の入り口に備え付けられている自販機のようなもので精算。
 確かに、こういうホテルなんだから、人に会わずに全てを済ませることができるに越したことはない。
 でもそれを知らなかった頃、出るとき普通にドアを開けてしまってアラームが鳴り響いた。
 あれは…かなり焦った…。

【巧巳】「そういや…お前、部屋の自販機開けちまったよな」
【香苗】「あ…ぅ…あれは…だって…」

 “大人のおもちゃ”がボタン一つで購入できる自販機。
 代金は自動的に精算時に課金される。
 それを知らず、香苗はローターのボタンを押してしまった。
 突然…、
【香苗】『あ…、開いちゃった…』

−あ…、続きは本編で…−