|
ふむ、挨拶をしてみれば全員静かになったな。儂の言葉はそんなに変なのじゃろうか…。まぁよい、窓際の席…。 十崎巧巳…。 なつかしい…とでも言うべきか…。 |
||
人気のない夜の公園。空に浮かぶ月は数日もすれば完全に満ちるじゃろう。巧巳はまだ来ぬか…。 もっとも、一方的な誘いじゃったし…。 時間さえ決めておらぬ呼び出しとなれば、約束とは呼べぬな。 …もう少し待ってみるか。 | |||
語る事など何もない。 こやつの優しさが儂を包んでくれる。 少々荒々しいが、それもまた心地よい。この時間が永遠に続けばどれほど幸せなことか…。 いや…刹那的であるからこその幸せか…。 |
|||
一度は失い、もう求めることも叶わぬと思っていた温もり…。 じゃが…巧巳は求めてくれた。 儂のような者を…。 |