■あふたー抜粋■
ふむ、挨拶をしてみれば全員静かになったな。儂の言葉はそんなに変なのじゃろうか…。まぁよい、窓際の席…。
十崎巧巳…。
なつかしい…とでも言うべきか…。


人気のない夜の公園。空に浮かぶ月は数日もすれば完全に満ちるじゃろう。巧巳はまだ来ぬか…。
もっとも、一方的な誘いじゃったし…。
時間さえ決めておらぬ呼び出しとなれば、約束とは呼べぬな。
…もう少し待ってみるか。

語る事など何もない。
こやつの優しさが儂を包んでくれる。
少々荒々しいが、それもまた心地よい。この時間が永遠に続けばどれほど幸せなことか…。
いや…刹那的であるからこその幸せか…。

一度は失い、もう求めることも叶わぬと思っていた温もり…。
じゃが…巧巳は求めてくれた。
儂のような者を…。

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